【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
何だこれは?

そう思った俺に伊坂は口を開いた。

「…僕もお2人には
『笠置と豊島の浮気現場を見たら
証拠を必ず掴むようにしてくれ。』
と、ずっとお願いされてきました。
…だから、昨日気になって
研修センターの最寄り駅まで
こっそり車で見に行きました。
そして、笠置主任の車に
豊島さんが乗り込む所を目撃しました。
でも、見ただけじゃなくて
僕はそっと写メに撮りました。
この封筒に入っているのは
その時の写真です。」

その言葉に

何だって…!?

俺は一瞬耳を疑った。

「…見せてみろ。」

俺は伊坂に言った。

「…えっ!?はいっ!」

俺の声に驚きながらも伊坂は

封筒から写真を取り出した。

そこには確かに

車から降りた笠置と豊島が

会話している写真と

笠置の車に乗り込む豊島の写真があり

やや遠いが、2人だと特定出来た。

確実な『証拠』だ。

「…伊坂。」

口を開きかけた俺に

「…氷室部長。実はまだあるんです。」

と、伊坂は遮るように言った。

何だ?まだある?

そう思った俺に

「…実は、先週会社帰りに
弟を迎えにD駅に行った時も
笠置主任と豊島さんがロータリーに
いたのを目撃しました。
その時、2人がキスしていました。」

と言って、伊坂が出したのは

確かに

笠置と豊島がキスしている写真だった。

一枚はやや遠いが

もう一枚はくっきりと特定出来る

綺麗に撮れているものだった。

「…この綺麗な方は
弟が代わりに撮ってくれました。
弟は一応写真が好きで
カメラを良く持ち歩いているので
事情を話したら
こっそりとわからないように
撮ってくれました。」

そう伊坂が言い終えたと同時に

俺は“ガタン”と立ち上がった。

驚いた顔で俺を見た伊坂に

「…今から総務部へ行く。
その写真を持って一緒に着いて来い!
…伊坂…お前は迷う必要などない。
その写真は、同期の野村さんを
泣き寝入りさせずに済む。
同郷の先輩達に協力してやれる。
今すぐ『証拠』を提出しろ…行くぞ!」

そう言うと、戸惑う伊坂に

写真を全て封筒に入れて持たせると

「…早く来い。」

と、促してオフィスを出ると

エレベーターに乗り込み

総務部へと急いだ。


さすがは俺の部下だ。

これで『制裁』は決定だ。

彼女を絶望から救ってやれる。










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