【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜

「…あの、どうかされましか?
何か私…不味い事言いましたか?」

女性社員の戸惑う声に我に返った俺は

「…あっ、すいません。
あの…ちなみにうかがいますが…。」

と、彼女が

『出張日』『休日出勤日』だと言って

出かけた日の事を聞いてみた。


***


「…そうですか…わかりました…。
わざわざお手間取らせました。
すいませんでした。」

数分後俺は

教えて貰った事に礼を言って

電話を切ったが、携帯を握ったまま

肩が震えるのを感じた。

…動揺を隠せなかった。



『…その日でしたら
出張ではなく、休暇になってました。』

『…いいえ…出勤日ではなかったです。
バイヤー全員この日は休みでした。』

『退職理由ですか?
“ご主人が東京に転勤になるかも
しれないから、ついていくの。”
と、言ってました。
東京にも提携しているデパートが
ありますから
そちらに異動される事を上司は
説得されたみたいですが
“ご主人の子どもが欲しいし
主婦孝行したい。”と言って
固辞されたそうです。』

女性社員の返答が

俺を嘲笑うように

グルグルと回っていく。


静花…俺に嘘をついていたのか?

出張ではなく、休暇だと?

出勤ではなく、休みだと?

俺が東京に転勤するだと?

子どもが欲しいだと?

主婦孝行したいだと?


どうして…どうして…。

そんな嘘をついたんだ?

電話を切った後も

俺の頭は整理が出来ないほど

混乱していた。

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