【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜

「キャ〜!あの人カッコイイ!
“待ってろ”って何だろう!?
タクシー呼びに言ってくれたのかな?」

花菜子が珍しくはしゃいでいると

近くのロータリーに

金額からして高そうな

一台の黒い乗用車が停まった。

そして、中から

さっきの男性が降りて来て

再びこちらに駆け寄ってきた。

「…悪い。待たせたな。
Sコーポレーションなら通り道だから
君達を乗せていってやるよ。
…君、悪いけど
この子の鞄を持って一緒に来て。」

男性は花菜子にそう頼むと

私を“ヒョイ”っと

お姫様抱っこのように抱き上げた。

「…えっ!?あのっ…。」

突然の行為に驚く私に

「…悪いけど、時間なさそうだから。
Sコーポレーション行きたいんだろ?
手荒な行動だけど
“セクハラ”扱いしないでくれ。」

男性はそう言うと

私を抱き上げたまま車へと向かった。

周囲の視線も感じ、恥ずかしい気持ちで

紅くなりそうになりながらも

Sコーポレーションに行きたい私は

今は、この男性の優しさに

おとなしく従った。

私と花菜子を後部座席に乗せた男性は

運転席に乗り込み

シートベルトをすると

「…さっき、Sコーポレーションの
担当者に連絡しておいた。
着いたらそいつらについていけ。」

そう言って

車を発進させて駅を後にした。

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