【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
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どうやって行ったのか

わからなくなるほど

相当気分が動揺していたと思う。

気づいたらタクシーに乗っていた私は

満君のマンションの前で降りた。

荷物を持って、エレベーターに乗り

10階建ての5階にある

満君の部屋のドアの前に来た。

いまだに整わない気分の中で

緊張を抱えながらそっと

インターホンを押してみたけど

反応がなかった。


しばらく待っても反応がやっぱりない。


出ない…。

満君…いないの?


仕方なく私は、貰っていた合鍵を使い

そっとドアを開けて玄関へと入った。


真っ暗な玄関。

すぐ近くにあるスイッチを回すと

少し明るいオレンジの照明が点いた。

廊下もその先も暗い。

やっぱりいないのかな…?

しかし、靴を脱ごうとした先に

ヒールの高い黒いパンプスを見つけ

私は目を見開いた。


違う…私のじゃない。

それくらいは自分でもわかってる。

こんなにヒールが高い靴を

私は履かないから。


見覚えのない靴を目の前にして

私の中に嫌な予感が立ち込める。


これは…やっぱり伊坂君の言う通り

満君と豊島さんが…。

2人がこの先に…?

豊島さんがこの先にいるの?


恐い…。

足が竦みそうになる。

でも、確かめなくちゃ…。


私はゴクンと唾を飲むと

バッグを玄関にそっと置いた。

靴を脱いで、スリッパを履かず

音を立てないように廊下を歩いて

リビングへ向かった。





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