【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
「………。」
もう、何だか私は
絶句を通り越して
声も出なくなりそうだった。
なぜ、私はここにいるんだろう。
なぜここで立ち尽くしてるの、
ドアの向こうで
『……豊島。』
『…笠置さん。』
と、2人の声が聞こえた。
信じたくないけど
大好きな満君は
高校時代に後輩だった豊島さんと
私が見ているとは知らないとはいえ
このドアの向こうで
求め合って愛し合っている。
『……あっ…んん…あぁっ。』
再び聞こえる声。
満君は私と別れる事を望んでいた。
『…あっ…やだ…もっと。』
またもや始まったらしい2人の行為。
……やめて…よ。
やめてよ…満君。
私もそのベッドで抱かれたのに…。
あなたのそのカラダに抱かれたのに。
この目で確かめなきゃいけないのに
ドアを開こうにもカラダが動かない…。
逃げたいとも思う…。
聞かなかった事にしてしまいたい。
その間にも耳を塞ぎたくなるような
聞きたくない卑猥な声が
私の耳に入ってくる。
…やっぱりこれは現実なんだ。
グサリと刺さるような痛み。
私が夢見て願っていたあるカタチが…。
失望を宣告され
音を立てるように壊れていく。
…もう…嫌だ。
私は我慢していたモノが
弾けてしまったかのように
「……やめてーー!!」
と、叫んでいた。
『……………。』
ドアの向こうが静かになった。
私はグッとカラダにチカラを入れ
右手でそのドアを思いっきり開けた。
見えたその先は薄暗い。
私はすぐそばにある
スイッチに手を伸ばして電気を点けた。