イジワル同期の恋の手ほどき

「え……?」

突然、宇佐原が変なことを言いだすから、驚いて、目をしばたいた。
すると、宇佐原は今まで見たこともないほど、真剣な表情でじっと見つめ返してくる。

「どういう……意味……?」

胸が高鳴るのを抑えながら、聞き返した。

「おまえ、『帰る』って言わないから」

宇佐原の声は、いつもと全然違っていた。

「朝ご飯、作れって……」

なんとか、かすれそうになる言葉をつなげる。

「あのさあ。その意味、わかってる?」

「意味って?」

宇佐原が、「まじかよ」と目を逸らす。

「男の部屋に来て、風呂に入って、泊まるんだぞ。考えないわけ? いろいろ、その先のこと、とかさ」

宇佐原がじっと見つめてくる。
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