イジワル同期の恋の手ほどき

「ごめん、あんまりびっくりして。でも……嫌じゃない」

宇佐原が大きな息をつくと、深く口づけた。
後頭部をぐっと引き寄せられ、驚きのあまり逃げようとするとますます強く押さえられて、逃げられない。

頬を包む宇佐原の右手がドクドクと脈打っているのが伝わってくる。
体がぴたりと密着して、全身が熱い。

「こういうのも、大丈夫?」

慣れない私を気遣って、乱れた呼吸の宇佐原はいちいち確認してくれる。
濡れて光った唇がやけに色っぽい。

「うん、平気」

そう答えると宇佐原が優しく笑って、頬をなでる。
さっきから宇佐原の唇から目が離せない。

「もっと続けてたい……」

まともな思考力なんかどこかに行ってしまい、半ば上の空でつぶやいた。

「そんな台詞、平然と言うなよ。こっちは、ハラハラしてんのに」

宇佐原の親指が唇をそっとなぞるのがくすぐったくて、思わず首をすくめる。
それを見て、ふふっと宇佐原が笑った。

「かわいい」

宇佐原のごつごつした手がさわさわと優しく頬をなでるのが心地よくて、うっとりと微笑む。

「私だって、苦しいくらいドキドキしてるよ。だけど……」

「ん、なに? なあ、ちゃんと聞かせて」

熱い瞳と甘い声に誘われるように、宇佐原の耳もとでささやいた。
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