イジワル同期の恋の手ほどき

「気持ち、いい……」

その言葉を聞くと、宇佐原がうれしそうに微笑んで、再び、キスが始まる。
初めは味わうようにゆっくりだったのが、どんどん熱っぽく激しくなっていく。

キスはもっと乾いたものだと思っていた。
必死でついていこうと宇佐原がするように真似てやってみると、触れ合う唇がどんどん熱を帯びて、頭がぼーっとしてくる。

宇佐原の熱いキスに夢中になっているうちに、気がつくとソファに倒れ込んでいた。

「美緒……好きだ。ずっと、こうしたかった……」

宇佐原の手が生乾きの髪をすき、頬を優しく包み込む。
そのときになって、肝心なことをまだ伝えていなかったことを思い出した。

「宇佐原、あの……」

「んー?」

絶え間なくキスを注ぎながら、その合間に、宇佐原が答える。

「わたし、実は……」

なんでも話せる宇佐原にも、言えなかったことがある。
だけど、ちゃんと言わないと。

場慣れしている宇佐原のことだから、もうとっくに気づいているような気もするけれど、でも。

「うん」

そう言いながら、宇佐原の動きはまったく止まらない。
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