滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬

諦めかけていたせいか、聞こえてきた瞬間ドキッと反応してしまった私。




「あ、もしもし…夏目ですけど…」



言葉がうまく浮かんでこない。

話したいことも言いたいこともたくさんあるのに。



『…』

蒼も黙ったまま何も喋る気配すらない。


逆にその無言と二人の間に流れる気まずい空気が私を追い詰めて行く…。





「あ、あの昨日工藤課長に頼まれた件なんですけど、他の部に回すことになって、あとこの前のミーティングで話した新しい企画が仮採用なってあとは部長が目を通してくれ」

『ーー俺に話したいことはそれ?』





何か話さないとと窮地に追い込まれた結果、無意識に出た一日の仕事報告。


だが蒼は私の言葉を一刀両断するように冷ややかな声で呟いた。






『俺に言いたい事、他にあんじゃねーの?』




あるわよ。

ありすぎで何からいいかわからないぐらいあるわよ…!

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