滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬
すったもんだで要約ついた地元の神社。
三が日が過ぎているのに、
人出は相変わらず多い。
「正月に初詣なんてすげー久しぶり!!めっちゃテンションあがるんだけど!」
境内にある鳥居や出店を見た蒼が嬉しそうにはしゃぎ出す。
「奈緒子さん!俺、あれやりたい!!」
そう言って指を指したのは射的の出店だった。
そのまま店に寄った私達は三発で互いに勝負することに。
「じゃー、先俺っ!」
空気銃を持ち構える姿が想像していた以上に様になっていて、
ついつい胸を熱くさせてしまう。
パンッ!と勢いよく放たれたコルクは狙っていたライオンのぬいぐるみの横をスカッと横切る。
「ちっくしょ…っ!」
意地になった蒼の二発目も空振りだったが、
最後の一発で見事に当てたものの倒すことは出来なかった。
「ここは私に任せなさい」
悔しがる蒼にえっへんと余裕の一言。
ーーここは大人である私が、
しっかりときめなければっっ!!
が。
「はい、お嬢ちゃんも残念だったね〜」
参加賞の飴玉にまさかのお嬢ちゃん発言。