滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬

「さ、これからどうしようか。ちょっと走って街にでも出る?」




初詣を無事に終えて駐車場に戻ってきた私達。



まだ昼過ぎだし、家に帰ってもやることなどない。




だったら車を走らせ賑やかな繁華街に行けば、

それなりに時間を潰せて楽しめるだろう。




「蒼君は何処か行きたいとこある?ってこんな田舎町じゃ何もないか」




苦笑いしながら車に乗り込んでエンジンをかける。



蒼も助手席に乗り込んでドアを閉めた。







「奈緒子さんと二人きりになれるとこに行きたい」







ーードキッッ!!



予想を反した蒼の提案に思わず体が固まって一瞬で全身が沸騰したように熱くなった。




「奈緒子さんに触れたい。…ダメ?」





蒼はそう囁くと手を伸ばし、私の後頭部を優しく触れながら顔を近づけてキスをしてきた。




「んっ…、はぁ…」



蒼の舌が口中に滑りこんできて、私は恥ずかしながらも絡めた。



そしてそのまま濃厚なディープキスに変わり、互いの気持ちが一気に燃え上がる。




「抱きたい。今すぐ奈緒子さんを抱いて俺のもんだって痕つけたい」

< 211 / 262 >

この作品をシェア

pagetop