滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬
耳に蒼の熱い吐息と甘い言葉が降りかかり、
私の体がビクッと大きく反応する。
「ぁっ…は、ん」
「この前激しくしちゃってめっちゃ後悔したから、今度は優しくしてあげたいんだ」
蒼の舌がそのまま裏筋を舐め上げ私も徐々に息が荒くなっていく。
そして頭に触れていた手が私のコートを脱がし、服の上から胸を揉んできた。
「ちょっと…ん、ダメ…だって…」
「何で?奈緒子さんの事、欲しくて欲しくてたまらないのに?」
「そういう意味じゃ、なくって…っ!」
え?と蒼がキョトン顔をしたまま目と鼻の先で、私の顔をまじまじと見つめてくる。
「あの、だから…さ、このままじゃ…ドキドキして、運転出来ないってこと!」
服の合間からはだけた肩に、
この場に及んで私のスカートの中に入ってきた彼の手。
何より私の顔は今すぐにでも火が吹き出しそうなぐらい真っ赤だ。
「あ、そうだった。俺まだ死にたくねーし」
目の前の光景を要約理解した蒼は、
にやけながらも意地悪な事を言って泣く泣く私から離れた。
ーーもぅ…。
ホントに事故っちゃうよ。