滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬

「俯いてたらわかんねーだろ?ちゃんと言ってよ」

「じゃあさ、いつもみたいに私の気持ち見透かしてよ。蒼君から出来るでしょう。」




私は涙目のまま蒼を見上げた。


ジッとその吸い込まれそうな綺麗な瞳を見つめて訴える。




しかし蒼の表情は曇っていて、

いつもみたいに意図も簡単に言い当てるような感じには見られない。





「…ごめん、わかんないや」


小さくため息をついた蒼は私から目線を逸らす。




さっきまで蒼の言葉や温もりで幸せをたくさん感じられたのに、

今は微塵も感じることが出来ない。






「ご飯作るね」



私は溜まっていた涙を腕で拭い、キッチンに立つ。



蒼はバツの悪そうな顔をしたまま外へ出て行ってしまった。






ーーすぐ近くに蒼の存在があるのに、


どうしてこんなに遠くにいるような感覚になっちゃうんだろう。




寂しいよ。


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