滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬
案内されたレストランの座席から見えたミッドタウンの夜景とセントラルパークのビュー。
三十五階という、高くもなくそして低くもない中間位置のせいか間近に夜景を楽しむことができる。
「ー、ー、ーーーーー」
彼は席につくなりやってきた店員にメニューを差しながら注文した。
「ちょっと、私今持ち合わせないよ…!」
「何言ってんの。俺が誘ったんだから昼のお礼させてよ」
高級そうな雰囲気の店内にタジタジの私を、
彼はクスクス笑いながら見つめている。
「あの…さっき来る時に話だけど、もしかしてハーレム…とか行った?」
来る道中、ぶらついた場所を彼に一通り話していた私。