滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬

ーーーー翌日。





「夏目さん」





朝からパソコンにデータを打ち込む私に、
とある同僚が声をかけてきた。




「部長が呼んでるみたいよ。ミーティング室に来てくれって」




そう言われ、私は内心ドキッとした。


ーー何…言われるのかな。
しかもミーティング室って。




部の一番奥にある小さなガラス部屋で、
主に小さな打ち合わせなどに使う。


中からブラインドを下げることで外部からは見られない構造になっている。





とりあえず私は席を離れミーティング室へ。




ノックをして、失礼しますと扉を開けると、


楕円形のテーブルと数個の席があり、

そこには部長の彼を初めとした開発プロジェクトチームの面々がいた。


もちろん、その中に俊介の姿もある。

< 66 / 262 >

この作品をシェア

pagetop