滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬

「アシスタント…？」

「ーーちょっと待ってください」




きょとん顔で思わずオウム返ししてしまった私の隣にいた俊介が、再び彼に噛み付いた。




「彼女は今まで開発に参加した経験がない初心者に近いですよ。アシスタントをわざわざ入れる必要が…！」

「ーーこれは社長命令です。文句があるなら社長に直談判して下さい。それではよろしくお願いします」




俊介の言葉を一刀両断した彼はそう言って、半ば強引にミーティングを終わらせる。



まだ状況が飲み込めていない同僚達だが、
個々に部屋を出て行き室内には私と彼だけになった。





「とりあえず明日から忙しくなりますから、今抱えてる仕事を今日中に終わらせといて下さいね」

「はぁ…」