滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬
その後、カウンターで商品を受け取った私達は、
座席スペースへ抜ける途中にあるレジでお金を支払い、野外の食事スペースへと移動した。
「何か悪かったね、奢ってもらっちゃって」
「ううん、いいんです。助けてもらったお礼だから」
丸いテーブルを挟んで向かい側に座る彼はTシャツにジーパンというラフな格好。
その上手ぶらで、どっからどう見ても観光客とは思えない出で立ちだ。
「旅行でこっちに?」
彼は手のひらより大きなハンバーガーを片手で楽々と持ち上げそのまま口へ運ぶ。
私は両手で要約掴み上げ、何とか頬張ってそのまま頷いた。
「失礼ですけど、現地の方ですか?」
「んー…、まぁ地元といえば地元かな」