花と緋色
「この世界に、綺麗なひとなんていないよ。」
はっきりと否定した。
「どこか汚れていて、汚い考えも持っている。それでも、ちゃんと綺麗なものも持っている。だから、羨ましいとか、あぁなりたいって思われる。」
シエリアはサイレーンから目を逸らさずに言った。
「汚れたものを殺していって、最後に何が残るというの?」
「綺麗なものさ。全て汚れているならば、全て殺す。」
「ひとりぼっちになるだけじゃない。」
「……」
「ひとりは、さみしいよ。」
黙り込むサイレーンにシエリアは手を伸ばす。
「ね?」
そして、微笑んだ。
< 22 / 68 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop