赤い流れ星
これからもきっと一番の悩みはお金のことだろうな。
シュウは働けないから、お金を稼ぐには、結局、私が働くしかない。
でも、私はいまだバイトもしたことないし、人と接するのは苦手だし……
そんなこと言ってたら、二人共生きていけなくなるけど、まだ私には社会に出る勇気がなくて……



「ひかり!ひかり!…どうしたんだ!?」

「え!?」

シュウに肩を揺さぶられ、私は我に返った。



「あ…ごめん…
ちょっと考え事してた…」

「トロ握ったまま、突然停まるから心配したじゃないか…」

「へ?」

シュウに言われた通り、私は右手にしっかりとトロを握ってた。



「あは…あははは……」

おかしな笑いで私はその場を誤魔化した。
こういう事は、家に帰ってじっくりと考えるに限る。
よし!今は食べることだけに専念するぞ!

私は気持ちを切り換えて、お寿司を食べた。
お互いにこの三日間のことを話していると、シュウは、私を嫌いになったわけではなく、両親とゆっくり出来るように考えてくれてたんだってことがなんとなくわかった。
なんだかんだ言ってもこうやって一人離れた所に住んでることが本当は寂しいんだろうって考えてるみたい。
全然そんなことないのに……
シュウが来てからは、特にそんなこと考えたこともなかったのになんでだろうと思ったら、シュウはどうやら自分がいるせいでこっちに親も呼べないし、それで寂しくなった私が会いに行ったと考えていたようだった。



「シュウ…全然そんなんじゃないよ。
私が、実家に帰った理由は…もうじきわかるよ。」

「もうじきって…何なんだよ!?」

「いいから、いいから……
あ、そういえば、荷物届いた?」

「あぁ、来てたぞ。」

「そっか……」



帰りは、二人で自転車に乗って帰った。
町に行く時は、最近、いつもこうしてるから、ようやく私もシュウの後ろに乗ることが恥ずかしくなくなって来た。
そうはいってもまだべったりとはいけなくて…遠慮がちに手を回してるだけなんだけど……
それでも、私はこの瞬間が大好きだ。
家に帰るまでの40分程のこの時間がとても幸せで……
多分、こうしてる時、私の鼻の下はいつもの1.5倍くらいに伸びてると思う。
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