ちょこれーとぼーい(♂)
数分待っていると
救急箱を持った志麻と涼太が
キッチンに入ってきた。
「俺手当てとかできねーから志麻にぃ連れてきた。」
と言って涼太は微笑んでいる。
涼太の気遣いは嬉しいけど志麻は
私の中で会いたくない人No.1。
保健医をやってるわけだし悠馬より
志麻を連れてくるのは当たり前だし
私と志麻の間に何があったかなんて
涼太が知ってるわけないもんね…。
志麻は救急箱をキッチンに置いて救急箱の蓋を開ける。
ガーゼとコットンと消毒液を取り出して私の手に触れる。
触れる手から志麻の手の温もりが
伝わり心臓の鼓動が早くなる。
「……なにぼけっとしとるねん。」
消毒液を浸したコットンで
切り口を拭いている時に
小さい声で呟く言葉が聞こえた。
……志麻のせいだもん。
なんて言えるわけない。
何も言わないまま切り口が滲みる痛さに我慢した。