アラサーラプソディー♪~運命のヒトは誰?~【加筆修正版】

「おい、彩月!?」


呆然として声も出ず力も入らず座りこんだままでいた


「彩月、おぶってやるからほら…」


私の前に背中を向けしゃがむ航
それでも私は、動くことが出来なくて…
おまけに、
ガタガタと震えが止まらなくて…
涙も出てくる…


「彩月?…」


航は、私の方に向きを変え…
航の両手が伸びてきてギュッと抱きしめられた。


身体の震えは、少しおさまったけど、涙は止まらなくて…
私が落ち着くまで、航は何も言わず、そのままでいてくれた。



「彩月…もう、大丈夫か?ほら、おぶってやるから」


航の背中に自分の身体を預ける…
航は、何も言わず、ゆっくりと
私をおぶってアパートまでの道を歩いてくれる


あれ…?まただ…
昔、こんなこと、あった…ような…気がする…
航の背中…すごく…あったかい…
背中に顔をあてて、その温もりを感じていた


「彩月、カギ」

航が止まったと思ったら、すでに私の部屋の前まで来ていた


「あ、も、もう降りるから…」


そう言っても、航は、私を降ろしてくれない
仕方なく、バッグの中からカギを取り出し航に渡した



玄関を開け、ようやく私を降ろしてくれた
けど、
足に力が入らなくて、脱ごうとした靴にひっかかり
倒れそうになったのを航の腕がしっかりと抱きとめてくれた


「……ったくっ!なに、やってンだっ!」


「……」


ムッときたけど、もう、反抗する気力もない…
航に支えられてリビングまで行き、
ソファーに座った


「彩月、何か、飲むか…?」


航がキッチンに向かいながら、私に聞く


「…いい、いらない…」


航は、勝手に冷蔵庫を開けてペットボトルを取り出してる


いつもなら、勝手に飲まれると怒るけど、
今日は、もうそんな気になれない










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