アラサーラプソディー♪~運命のヒトは誰?~【加筆修正版】


タキさんは、大きく深呼吸して私の顔を見て語り始めた

藤井くんは、お父さんの愛人の子供
藤井くんが、1歳の頃、その人が事故で亡くなって藤井家に引き取られた

藤井くんのお兄さんが8歳、お姉さんが4歳の時だった
お兄さんたちは、藤井くんを、本当の弟のように可愛がった

だけど、お母さんは…
藤井くんを抱くことも、愛することもしなかった

出来なかった夫の愛人の子供だったから…
だから、タキさんが、お母さんの代わりをした


そして…お兄さんたちと同様、
藤井くんに愛を注いだのが、お兄さんの幼なじみの恵利子さんだった


恵利子さんは、お姉さんの同級生で、
家も近所だったから毎日のように藤井家に遊びにきていた

彼女は、一人っ子で、淋しかったせいもあった

お母さんに辛くあたられる藤井くんを
恵利子さんは、いつも、慰めてくれていた

藤井くんは、そんな恵利子さんを慕い、
中学生の頃には、それが、恋心に変わっていった


お兄さんが、東京の大学へ進学し、
就職もそのまま東京で、しばらくは戻って来ないと知った時
地元の大学に通う恵利子さんに、藤井くんは、想いを打ち明けた

恵利子さんも想いを受け止め、2人は付き合うことになった
だけど、幼いころのように、上手くはいかない

恵利子さんも、まだ高校生だった藤井くんの
ぶつかってくるような激しい想いに困惑することが多かった

そのため、2人の関係は半年も続かなかった



恵利子さんが、大学を卒業間近に控えた時、
お兄さんと恵利子さんの突然の婚約…

ショックを受けた藤井くんは荒れに荒れた
女遊びや、父親のカードを使って高級クラブ通い、

当時住んでいたマンションは大学の仲間の溜まり場になっていた
タキさんでさえも、手のつけられない荒れ様が2年近くもの間、続いた

さすがのタキさんも、手に負えず、お兄さんと恵利子さんに助けを求めた


2人の協力もあって、大学3年の夏にはようやく立ち直り
単位が危なかった大学も真面目に通い卒業も無事に出来た


藤井くんに、そんな過去があったなんて思いもしなかった


全てを話したタキさんは涙をエプロンで拭っている…
















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