アラサーラプソディー♪~運命のヒトは誰?~【加筆修正版】
「こ、香子…」
あ、神谷さん…省吾の…婚約者
「省吾、今さら、なんでこの人といるの? もう、会わないで、と言ったはずよ
それとも…」
私の傍に移動した神谷さんは、
「あなた、まだ省吾に未練があるの?! それならそれで、私は構わないわよ 省吾の愛人の一人にでもなったら? ふっ 根性なさそうなあなたにそんなことができればの話ですけどね」
勝ち誇った顔を私に向ける
それに
神谷さんの声のボリュームが大きいため
テーブルのまわりにいる人たちは、私たちの様子にチラチラと視線を送る
「省吾も黙ってないでなにか言ったらどうなのよ! 」
神谷さんが、省吾の腕を引き揺さぶっている
「彩月…もうお前とは会わない、お前といたらオレは医者になれない。お前とは終わりだ…」
ただただ冷たく言い放ち
私の顔も見ないで踵を返し去って行った
「わかったでしょ? 庶民は庶民らしく
あなたの釣り合う人とお付き合いしたほうがよくってよ じゃ、ごめんあそばせ」
この場を去っていく神谷さんの言葉は私はもう、右から左だった
本当に、省吾とは終わったんだ…
テーブルに一人残された私は、涙さえ出なかった