アラサーラプソディー♪~運命のヒトは誰?~【加筆修正版】

家に戻って、お母さんが用意してくれていた夕飯も食べる気になれず、自分の部屋に引きこもっていた
何度かお母さんが様子を見に来てくれたけど、寝たふりをして返事さえしなかった


部屋の中で気を紛らすため、雑誌を見たりパソコンをしたりベッドに横になるけど寝れるワケもなく…
時計を見ればもう真夜中だった


そんな時…


コンコン…


ドアをノックする音が聞こえて…



「彩月? まだ起きてるのか?」


尚兄が、病院から帰ってきたようだった


「おでん買ってきたぞぉー 一緒に食おうぜー」


そう、言いながらドアを開け中へ入ってきた


「駅の傍に、おでん屋出来たの知ってたか? みんなが旨いってゆーから買ってみたぞ!
ほれ、お前、大根好きだろ?」


おでんが入った器の蓋をあけ、その蓋に大根を乗せ、ベッドの上に座ってる私に
お箸とともに渡す


そして、尚兄は、器の中のはんぺんを食べ始めた


「うぉー、マジうまだぞ! 彩月も早く食え」


「う、うん…」


大根をお箸で食べやすい大きさに切って口に入れると味が凍みこんでいた


「おいし…おいし…い…よ、尚兄ぃ…うっ…えっ…うぅ…」


「旨いか…そっか…そっか…良かった…」


「うぅ…ひっく……」


やっと…思い切り泣ける


尚兄は、私が泣くのを、おでんを食べながら何も言わず、黙って見ていてくれた
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