アラサーラプソディー♪~運命のヒトは誰?~【加筆修正版】
お店に戻ったのは、すでに19:00を回っていて、
私を待っていた千夏は、少し不機嫌だった。
「先輩、遅すぎぃ、今日は先輩の奢りですよっ」
頬を膨らませて言う千夏
「はいはい、モチロンです」
急いで着替えて、タイムカードを押しながら、千夏と一緒に店を出た。
「さ、いつものトコ行きましょっ がっつり、食べますからねっ」
「はいはい、お好きにどーぞっ」
その時、私の携帯電話が鳴った。
ディスプレイを見ると、
藤井くんから…
う…どうしよう…
私が、ディスプレイを見たまま、出ようとしないので、
「先輩、出なくて、いいんですか?」
千夏が、心配そうに私の顔を見る。
「うん、いいの、もう…」
手にしていた携帯をカバンに入れ
驚く千夏の手を引き、いつもの居酒屋へ向かった。
「先輩!一体どうしたんです?」
席に着くなり、問いかけてきた。
当然だよね・・・
昨日の今日で、電話にも出ないんだもの…
「千夏…私、藤井くんとは
何も、何もなかったコトにするのっ!!」
「え?!」
お箸に挟んだから揚げを口の中へ入れ損ねた千夏
見事から揚げは、テーブルに転がった
いつもなら、そんな千夏の動作に笑えるけど、そんな余裕などなくて…
言った途端、涙が溢れそうになった。
でも、でも、
もう、あんなヤツのためになんか泣くもんか!!
「どうしたんです?何があったの?」
心配する千夏に、今日、会議室で見た全てを話した。
「そ、それ、マジですか?!
それって、ある種、犯罪に近いんじゃないです?」
「もう、もういいの、
コロっと騙された私が悪いんだし、
3年も、恋愛してないと、
免疫なくなって、やっぱり変なのにひっかかっちゃうんだね・・・
ねぇ、千夏、
キスマークって、どうやって消すの?
擦っても消えないの・・・うっ・・・
どうしたら消えるのっ・・・ううっ」
首筋や、胸元をゴシゴシと擦ってみるけど、全然ダメ・・・
「先輩っ、先輩、そんな擦ったらキズになりますってばっ!
ダメですっ!!先輩っ!」
私の手を掴みながら
すごい、形相で睨んでる