アラサーラプソディー♪~運命のヒトは誰?~【加筆修正版】
頭の中は、パニック状態。
泣きたくなるのを堪えて、とりあえず隠すものを探し
ベッドの掛け布団を剥ぎ取りその場にうずくまって身体に巻く。
「み、見ないで、お願い…っおね…がいっ」
心臓が飛び出そうに恥ずかしくて、悔しくてそう言うのがやっと…
でも、私に近づいた航は、怖い顔をして掛け布団を剥がそうとする…
「いやっ、やだっ、見ないでっ、ううっ、いやっ、いやーーーっ」
悔しさがこみあげて、涙が、零れ泣きだした私を見て、
怖い顔をした航が私の状態に血相を変える。
「彩月、どう、どうしたんだよっ 何があったんだ?!」
ワケがわからない航は
私の肩を揺さぶって、理由を聞こうとする…
でも、私は、頭を左右に振り、答えられない…
あんなコト、言えない、言いたくない。
「彩月、怒らないから、ちゃんと言ってくれ。
頼む、彩月っ」
涙でグチャグチャの私の顔を覗いて問いかける。
私を落ち着かせようと、優しくゆっくりとした声。
「うっ、わた…るっ…うっ」
「彩月、大丈夫。ゆっくりでいいから…」
流れる涙を、航の手が拭い、私の片頬を航の手がつつむ。
「航ぅ…私…騙されちゃったよ…ううっ…」
「騙されたって…どうゆうことだ?」
泣きながら、藤井くんとのコト、
マネージャーと藤井くんが、私を契約の出しにしたことを説明した。
「なんっだよ、それっ!
名のある会社の人間が、そんなコトしていいワケないだろっ!
彩月、訴えること出来るぞ!
俺のツレに腕のいい弁護士いるし!
アメリカじゃ、そんなのあたりまえに裁判おこせるからな」
「わ、航、訴えるなんて、そんなこと、いいよ…
私も、浮かれて彼の部屋ついてっちゃったから…」
「ほんっとだよ!!
男の部屋、ホイホイついてくお前も悪い!!」
航にすべて話して落ち着かせてくれたのもつかの間
おでこに思い切りデコピンをくらう。
「いったいよっ、航っ」
「全く、お前、俺が、どれだけ我慢したか、わかってねぇぞっ!!」
「え?…何?我慢って?…」
「あ…」
航が、ヤバいって顔をして、後ろを向く
「なによ? 何隠してるのっ?」
後ろを向いた航のシャツをグイグイと引っ張る。
「航っ?航?」
「…っ、だーーーもうっ、くそっ!
あん時、お前のこと、抱いてなんかいないんだよっ!!
お前、グデングデンに酔っぱらってるし、
そんなお前、抱いたって意味ねぇし!
お前、あん時、無意識に着てるもの全部脱いじまうしっ
真っ裸で寝るお前の隣で、俺、もう、生殺し状態だったんだぞっ!!
あぁ、もうっ!
なんで、あん時、俺のモノにしなかったって、今更、後悔だよっ!」
頭を抱えて項垂れる航の背中をなんとも言えない気持ちで見つめる。
うそ?
航と、えっち…してなかったの?…
ギュッ…
胸の奥が少し淋しい。
あ、あれ?
今、私、すごく残念に思った?