アラサーラプソディー♪~運命のヒトは誰?~【加筆修正版】
私たちの座る席はオープンテラス
しかも道路側で
私は、道路に向かって座っていて後ろのテーブルは全くわからない
千夏は私の右斜め前に座っていたから入り口がよく見えていた
少し俯き加減で千夏が私に言った
「先輩、航さんが入ってきました…それが…」
千夏が言いにくそうに私の顔を見る
「女の人が一緒です…それも……」
千夏は、一瞬躊躇して…
「子連れです…」
その言葉に心臓が掴まれるように痛い感覚が全身を走った…
振り返って確かめたい、だけど…
私たちの座ってるテーブルの後ろには背の高い観葉植物が一列に並べられてる
千夏によればその向こう側のテーブルに航たちは座ったよう…
耳を済ませば微かに会話は聞き取れる
幸い、航は私たちの存在には気付いてない
千夏と2人
航と女性の声を拾おうとじっと聞き耳をたてる
やはり、端々の会話しか聞こえないけれど…
どうやら、航の元カノの可能性は高いよう…
千夏が見るにはスレンダーで髪は緩いウェーブで
顔のラインまでの柔らかそうな品のいい茶色
顔のパーツもハッキリしてて
まさに『美人』タイプ連れてる
3~4歳くらいの娘もよく似て美人顔
そーだよね…
航…
関東一の大学と匹敵する
関西でイチバンの大学出てんだもんね
寄ってくる女性もレベルが違うハズだよね
「先輩…今の聞こえました?」
気付けば千夏の顔が少し青ざめそうになってる…
「あ…ゴメン千夏、少し考え事してて
今の聞けなかったの…」
「……」
「千夏…?」