和田菜月物語
「…翔子って茶木の事か?」

たまたま買い出し中の二人を見つけ
追いかけていた西山。

その二人の会話を聞いてしまったらしい。

私も気がつかなかったけど
西山は部屋に居なかった。

あまりにも
買い出し二人組が遅いから
様子を見に行ってたらしい。

「やっぱり生きてるのか…?」

そんな事を考えながら
西山はホテルに戻って行った。

その時ホテルでは…。

「それより雅木…」

「ん?」

私は雅木の耳元で小さな声で聞いた。

「本当に思い出したの…?」

私がそう聞くと雅木は優しい顔になった。
そして笑顔で言った。

「うん」

私はうつむいてしまった。

「そっか…。じゃあ飛鳥の事…」

「大丈夫」

「えっ…?」

「俺はお前が好きだから!」

「えっ!?」

「そう言う事だからな!気にするなよ!」

「き、気にしてないもん!」

雅木は笑っていた。
私もつられて笑ってしまった。

そして
買い出しチーム+西山が帰ってきた。

「ただいまぁー!」

由紀は笑顔で言った。
前田も笑っていた。

西山は私の方を見て
手招きをした。

私は急いでそっちに行った。

すると西山は私の耳元でこう言った。

『茶木は生きてるよ』

そう言ってどこかに行った。

私は無意識に由紀を見てしまった。

何故か
由紀が翔子の可能性が出てきた
気がしたから。
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