和田菜月物語
それからは
私達は料理対決の作戦会議をした。

「作る物のテーマはみんなで作れる」

「う~ん…。パンケーキは?」

「それお菓子だからダメなの」

「えー。ウチの大好物…」

「飛鳥ちゃん…」

「じゃあプリン!」

「それもお菓子だ!!」

「俺の大好物…」

「飯沼君…」

私達は笑っていた。
由紀も笑っていた。

それを見た前田は複雑そうな表情だった。

それに気がついた西山は前田の隣に行った。
そして耳元でこう言った。

「やっぱり上原って…」

そのあとの言葉を聞いた瞬間
前田は西山を睨んだ。

「図星か…」

そう言って西山は外に出ていった。

「春樹…?」

未来が不思議そうな顔をしていた。

そう。
西山が前田に言った一言で
すべてが変わってしまったんだ。


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