パパはアイドル♪vol.3~奈桜クンの呟き~
「奏!」
次の仕事も五人一緒のテレビ誌の撮影。
この後、個々や五人一緒のインタビューが続く。
みんなが楽しく出来る仕事のひとつ。
奈桜は先に車を降りた奏を呼び止めた。
「何?一緒に行きたいの?」
「うん」
奈桜はふざけて奏の左腕を掴む。
『気持ち悪いって』と、奏が笑いながら腕を振りほどく。
少し笑い合った後、奈桜が並んで歩きながら奏に話しかける。
「何か話し、あったんじゃないの?」
「えっ?何で?」
驚いて奈桜を見るが、前を向いたまま。
「やっぱり……、奈桜ってすごいね。なんでも分かるんだ」
「オレは魔法使いだからな。ん?ちょっと意味が違うか。まっ、いいや」
このおおらかな雰囲気がいいんだろう。
何でも受け止めてくれそうな気がする。
「結婚っていい?」