もう一度抱いて
気がつけば私は、相原君に肩を抱き寄せられていた。


「俺ら仲ええよ。仲間やからな。
けど、仲ええからってすぐ恋愛とは限らへんで」


何を思ったか、相原君は京香に冷たい口調で言った。


京香はきょとんと目を見開いている。


「そう…なんだね。
てっきり付き合ってるのかと思ったわ。あまりに仲が良いから」


そんなふうに見えるの?


このやりとりが?


あ、ありえない…。


「里桜ちゃんは、恋愛対象にはならへんなー」


ケラケラ笑う相原君。


ったく。失礼しちゃう。


ま、まぁいいけどね。


男の人の私の対する態度なんて、そんなもの…。


「でも…。里桜って人気あったのよ。最初は恋愛対象じゃなくても、ただの友達でも。
だんだんみんな、里桜に惹かれていくの…」


え…?


京香、何言って…?


「私が高校の時に好きだった人、みんな里桜が好きだったもの…」

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