もう一度抱いて
「そろそろお時間です。みなさま、もうチャペルにお集まりですよ」


スタッフさんに声をかけられ、私は花嫁控え室を後にした。


チャペルの入口には、すでにお父さんが立っていて、私を待ってくれていた。


「里桜。とっても綺麗だよ」


にっこり笑うお父さん。


私もにっこり微笑み返した。


介添人さんからブーケが手渡され、私はお父さんの腕にそっと手を添えた。


荘厳な扉がゆっくり開かれると。


みんな立ち上がって、私とお父さんに注目していた。




パイプオルガンで演奏される結婚行進曲とともに、お父さんとバージンロードを歩く。


幼なじみや、小学校からの友達。


中学、高校、大学の友人達の姿が見える。


会社の同僚やいとこ、親戚のおじさん、おばさん、おじいちゃんやおばあちゃんまで。


みんなが笑顔で迎えてくれた。


そして、バージンロードの一番奥に。


私を迎えるキョウセイの姿が見えた。


グレーのタキシードを着たキョウセイがあまりにカッコ良くて、私は少しの間見とれてしまった。


お父さんと離れ、キョウセイが私の手をとる。


キョウセイは私と目が合うと、優しい瞳でにっこり笑ってくれた。


ふたりで階段を上り、祭壇の前に立つ。


ステンドグラスから差し込む虹色の光が優しく私達を包み込むなか、牧師によって結婚式が執り行われた。
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