もう一度抱いて
「京香…」


京香がどうしてここに…?


あ、そうか。


キョウセイの彼女だものね。


ライブを見に来ていたっておかしくないよね。


「ねぇ、里桜。

どうして言ってくれなかったの?」


「え?」


なぜか険しい表情の京香。


何…?一体何なの?


「トモオ君と里桜が一緒にバンドやってるなんて、私聞いてない」


うそ…。


聞いていない?


キョウセイってば、私がバンドに入ったこと、京香に話していなかったの?


「この前、ファミレスでトモオ君を紹介した後、大学でトモオ君に会ったの?

どうして一緒にバンドなんかやってるの?

里桜、自分が音楽出来るってこと、トモオ君に自分から話したの?」


すごい血相で質問攻めにされて、私は思わず眉をひそめた。


どうしよう…。


なんて説明すれば…。


どう答えていいのかわからず、手に持っているふやけた紙コップをクシャリと握れば。


「京香」


後ろから、亜美の鋭い声が投げ落とされた。

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