もう一度抱いて
彼は私の背中に回していた手を腰へと移動させると、少し強引に私を引き寄せた。


そして片方の手は、さっきと同様頬に当てられる。


重なる唇の濡れた音が、私の衝動をさらに掻き立て、思わず彼の腕にしがみついた。


唇を割って潜り込む舌を、私は待ちわびていたかのように迎え入れる。


それはさっきよりも激しく絡み、身体が熱を増していく。


あぁ……。


やっぱりすごい。


ここが公園だということも忘れて、このキスに溺れてしまう。


この人、キスが上手いの?


キスが上手な人って、こんなにすごいんだ……。


じゃあ、今までの人は何だったの?


下手だったってこと?


そんな失礼なことを頭の片隅で考えてしまう。

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