予言と過去
巫女が泣いている所を見られたら、司祭達に何を言われるか解らない。私とリーは、急いで私の部屋に逃げ込んだ。
其処でリーと様々な話をし、今迄 押さえ込んで来た感情が溢れて来た。
「ねぇ、リー。私と、友達でいてくれる?」
そう訊くと、リーは明るく笑った。
「勿論! 僕、ユニコーンの巫女様とも友達に なったし。」
その言葉に、思わず笑う。
私とリーは一緒だ。
私の両親は生きていて、リーの両親は亡くなっているけれど、会えないと言う点では、私達は同じなんだ。
リーの お陰で、忘れかけていた感情が戻り、とても暖かい気持ちに なった時。
「巫女様、失礼します!」
唐突に、部屋の扉が開いた。
入って来た司祭は、リーの姿を見て、一瞬 虚を突かれたような顔を したが、直ぐに私の方を向いた。
「巫女様、地界から龍族を救い出す事に成功したそうです。治療が必要との事で、大爺様が呼んでおります……リー様も。」
「解りました。」
急いで立ち上がり、リーと共に大広間へ向かう。
救い出された者がライネスである事を祈る。けれど、誰であろうとも死なせは しないと、強く拳を握った。