予言と過去



男子達は少年の躰を蹴りまくる。これじゃ袋叩きだ。



それでも歯を喰い縛ってる少年。



強さを求めて来た あたし。



なのに、何故だか弱さの象徴そのものである彼は――。



――とっても、美しく見えた。



一目惚れって奴かな?



あたし――彼が好きだ。



近くで見守っていた女の子達は、等々 走ってってしまった。



尚も いじめを続ける男子達。



止めなきゃ。



そう思った。



あたしは、強さを求めて来た。でも、あたしが求めて来た強さは、それじゃない。



人の上に立って、押さえ込んで、屈服させる強さ。



違う。あたしが求めてたのは。



大切な人を、護れる強さ。



だから、知らない子でも助けなきゃ。



いじめは駄目だって、言わなきゃ。

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