予言と過去
「こいつマジ ウゼェ!!」
「何だよ、お前あいつが好きなのか!?」
「そんなんじゃない!!」
飛んで来る蹴りから顔を庇いながら、僕は叫んだ。
「ウザいと言えば、お前の姉ちゃんもウザいよな!! いっつも俺等に虐めは駄目だとか言いやがって。」
その言葉を聞いた瞬間、僕の心に湧き上がったのは、怒りだった。
気が付くと、お姉ちゃんを貶した男の子の胸倉を、掴んでいた。
自分より頭1つ分 高い顔を見上げる。
「僕の大切な人達を、悪く言うな!!」
「何だよ お前。ウザいっての。」
その男の子に顔を殴られて、僕は地面に叩き付けられた。
その日は いつもより酷く やられて、ふと気が付くと、辺りは すっかり真っ暗に なっていた。
家に帰る気が起きず、僕は ふらふらと立ち上がると、いつも翔ぶ練習を している森へ、ゆっくり歩いて行った。
頭に靄が掛かったように思考が回らず、唯 何度も、同じ事を考え続けた。