予言と過去



弱いって、何だろう。



僕は、弱いんだろうか。



傷付けたくないだけなのに。
それが、弱いって言うんだろうか。



僕が弱いと言うならば、僕が強い事を、皆に証明するよ。



この世界を破壊して。



心の奥底から湧き上がる、この黒い感情。



これを解き放てば きっと、壊せる。殺せる。



そうしたら、もう誰も、僕が弱いなんて言わない。



そうしたら、もう誰も、リホちゃんを怖がらない。お姉ちゃんを貶さない。



僕も、大切な人達も、皆も、幸せに なれるんだ。



そうして僕は森の奥に在る崖の前に立ち、心が導くままに、魔法を使い。



大罪を、犯した。

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