予言と過去
「此処へ連れて来た龍族は、お前を除いて全員 死んだ。どう言う事か、解るな?」
「……あ……あぁ……っ。」
何を言われるのか、理解 出来た。
それでも聞きたくなくて、僕は両手で耳を塞いで、膝に顔を埋めた。
「お前は、自分を見下す奴等が憎くて、俺を召喚した。」
「……辞めて……お願……い……っ。」
「お前が、こいつ等を殺したんだ。」
「……あ……あああぁああぁっ!!」
思考が、自分のものじゃないみたいだった。
受け止めなきゃ いけないのに。
償わなければ ならないのに。
頭が、躰が、現実を拒否して、僕は無意識の内に絶叫した。
今迄 夢のようにも感じていた現実を、漸く理解した。
僕は、大罪を犯した。
悪魔を召喚して、姉を、仲間を、殺してしまった。
僕は。
最低な、人だ。