禁域―秘密の愛―【完】
「桐谷君………、お願い。見ないで………」
懇願する私をよそに、桐谷君は………
「あっ!んっ………!」
藤咲君がつけた痕に唇を寄せ………、新たに赤い痕を残していくーーー。
「っ………!」
ーーー何これ………?
藤咲君と同じ事をされているはずなのに。桐谷君だと………なぜか気持ちがいいと思ってしまう。
「綾瀬………、綾瀬………」
全てに赤い痕をつけ終わった桐谷君は、私をもう一度強く抱きしめた。
まるで離さないと言ってるかのように………。
「綾瀬が………、藤咲に触られているのを見た時、気が狂いそうだった。
これで何もかも帳消しだ………。
綾瀬にこうして触れるのは………俺だけでいい」
「桐谷君………、それって………」
「………好きだ」
「ーーーっ!」
「………綾瀬。誰よりもお前のことが好きなんだよ………。こんな気持ち、初めてだ」
その言葉を………、彼の腕の中で言われた瞬間
涙が………私の頬を伝った。
桐谷君………、桐谷君………。
やっと、気持ちを言ってくれた………。
嬉しすぎて、想いが溢れそうだよ………。