禁域―秘密の愛―【完】
「私もっ………、桐谷君が………、好きっ………!大好き………っ!」
好き。ーーー大好き。
何回言っても足りない。
こんな気持ちになるのは………、あなただけ。
桐谷君ーーー………。
「綾瀬………、ありがとう」
桐谷君は、そう言って優しい表情で微笑むと、そっと私の頬を両手で掴み取る。
そして………
「んっ………」
静かに………、その綺麗な唇が私のそれを塞いだ。
初めてのキス…………
桐谷君は何回も角度を変え、私の舌を絡めとる。
「んっ………、んっ、あ………」
いつもの桐谷君とは想像もつかないほど、激しさを増したキスに私は驚いた。
けれど、すぐにそれに慣れて気付けば無我夢中で彼の首筋に腕を絡め、その唇を奪っていた。
桐谷君………桐谷君。
私の………、桐谷君………。
唇が離された後も、私達は抱きしめあってお互いの体温を感じた。
「綾瀬………、いや。
ーーー瞳。俺の………俺だけの瞳だ………。やっと手に入れた………」