禁域―秘密の愛―【完】
「本当にありがとう、巧」
私も何かお礼しなきゃ。
巧にもらってばっかじゃ悪いよね。
あ………そうだ!
「巧!私その日、お弁当作ってくるね!」
私は料理もすごく好きだ。
なので家でも、両親が仕事で遅くなると夕食作りを担当するほどだった。
私が巧に対して何かあげれるとしたら………本当に、それくらいしかない。
「ーーーマジで?」
巧は私の言葉に驚いた顔を見せると
「瞳の弁当か………。すごく楽しみだ」
そう言って、本当に嬉しそうに笑ってくれた。
「そんなに喜んでくれるなんて、思わなかった」
「何で?」
「だって………、巧は普段から家で良いものを沢山食べてそうだなあって思って」
巧の実家のことだから、食卓に高級料理がずらりと並んでそうだしなあ………。
そう思って、特に何も考えず軽い気持ちで巧にそう言った。
すると、巧は思った以上に深妙な顔をして………
「………あの家の食事なんて、そんな大層なものじゃない。
………雇われの料理人が、父に命令されるままに作ったものが主だ。
そこに温かみなんてものは存在しないからな」
そうどこか悲しげに言ったーーー。