禁域―秘密の愛―【完】


「今更、何言ってるんだよ?
俺は今日それを食べるって決めてるんだ」

巧はそう言って笑う。

「だ、だって、緊張しちゃって………」

「大丈夫だ。………ほら、開けるぞ?」

「あっ………!」

ああ、開けちゃったよ………。


私の方は心の準備ができてないのに………!


案の定、巧はお弁当を見つめて静止してるし………、やっぱりこんな普通のお弁当じゃダメだったかな?


「巧………」

「………い」

「えっ?」

「………凄いな、瞳!」

そう言うと巧はまるで新しいおもちゃを見つけた子どものように、目を輝かせながら私を見た。

「へっ?」

「凄く手がこんでる!全部一人で作ったんだよな?一体何時間かかったんだ?」

「そんなにかかってないよ?ただ量が多かったから………、2時間くらいかな?」

「時間かかってるだろ………。
ヤバい、めっちゃ嬉しい。ありがとう」

巧はそう言うと、ニッコリ笑って私を見た。

まさか、こんなに喜んでくれるなんて………。

巧は、いつも私の不安を消し去ってくれる。
< 126 / 714 >

この作品をシェア

pagetop