禁域―秘密の愛―【完】


「………瞳と、出会えて良かった」

「私もだよ………」

巧に出会えた事は、本当に神様からのプレゼントだ。

そのくらい、私達は強い絆で結ばれていると確信できた。


その時不意に、巧の唇に視線が向いた。その瞬間、巧は



「………キスしていい?」




私の視線を見逃さず………どこか意地悪くそう言った。

「………へっ!」

いきなりの爆弾発言に戸惑う私。



それは…………、い、いいけど。

でも………



「ここ、公園だし………」

話に夢中になってたから全然気付かなかった。

けれど、きっと周りから見たら私達は凄く目立っていただろう。

私が泣いてるだけで、好奇の視線が向いてくるんだ。

これ以上、何かしたら………


「………それが?」


「えっ!? いやっ、そのっ、あのね?だから………っ」

その時、もの凄い勢いで私は巧に後頭部を掴まれ。



そして、極上のキスを受けたーーー。




「んっ………」



だ………め。



人が見てるって、分かってるのに。
巧のキスは、何も私に考えさせようとはしない。



とても狡い、甘いキスーーー。





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