禁域―秘密の愛―【完】


「………うん、具合悪いだけ」

私は布団にくるまったままそう答えた。もちろんこの場を乗り切るための嘘だった。

「………本当にそうなの?」

お母さんが、訝しげに私を見ているのが布団の外からでも何と無く感じることができた。

「そうだよ………だから、お願い。一人にして。私、頭が痛くて………」

……….お願い、お母さん。

何とか、今は私に騙されてほしい。

とてもじゃないけれど、巧のことを話せる気力は残っていない。

「………瞳、だけど」



その時だったーーーー



家のインターホンが鳴り響いた。

「誰かしら………、ちょっと行ってくるわね」

お母さんはそう言うと、玄関へと向かった。階段を下りる音が聞こえる。

「………はぁ」

良かった………とりあえず、何とかこの場を乗り切れそうだ。

今は、とにかく頭を休めたい。

なんだか色々ありすぎて本当に、体調を崩しそうだ。

現に、巧のお父さんに呼ばれてからというものの、どことなく具合が悪い気がする。



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