禁域―秘密の愛―【完】
愛ちゃんも、何度も何度も心配してくれて………頻繁に電話をかけてくれたり、暇があると話を聞いてもらったりしていた。
『大切な人を犠牲にして得られるものって…………一体何なの?絶対におかしいよ、そんなの………。瞳、よく耐えてたよ………。あたしならそんなの耐えられない。強いよ、瞳は………』
愛ちゃんのその言葉も胸に響いた。
ーーーー何度も、何度も。今………巧と別れる前日になった今、私達を支えてくれた人達の言葉が思い返されて。
「………っ」
泣かない、と思っていたのに………また涙が溢れ出してきたんだ。
絶対に………明日は泣かない。泣かないから……今だけ、泣かせてーーーー。
ーーーー翌日。
巧と私は特急電車で、羽田空港の国内線へと向かった。
行き先は、福岡県。私達は受験シーズンのため受験の神様である菅原道真が祀られていると有名な太宰府天満宮へ行くことにした。
それ以外は適当に、大まかなプランをうって街へ出かけることにしている。3泊4日の旅だ。
「修学旅行が、香港だったからな………俺らの高校は。国内だと色々と言葉に気を使うことなく楽しめるだろ」
飛行機のチェックインを待っている列でそう冗談っぽく言った巧に私は笑った。
よかった、私うまく笑えてる………。この旅だけは笑っていなくちゃね。