禁域―秘密の愛―【完】


「桐谷は、家庭と本人の進路の都合によりアメリカへ二学期が始まる前に旅立った。皆にお別れの挨拶が言えなかった事を残念に思っている…………と伝えてほしいとのことだ」


高校3年生の二学期始業式後のホームルーム。先生がクラスに告げたのは信じられない事実だった。

それを聞いた途端、私の頭の中は、今までにないほど真っ白になった。


巧が…………、何も言わず遠くへ行ってしまった…………。


その事実が受け入れられず、事情を知ろうと私は巧のおばあちゃん家に向かった。

巧と別れてから何と無く顔をだしづらくておばあちゃん家に行くことを避けていたけれど、その時の私の頼みの綱は、彼女しかいなかった。

「瞳ちゃん………!よく来てくれたね」

おばあちゃんはそんな身勝手な私を責めることもなく、喜んで迎えてくれた。



「巧は……アメリカに行ったんですか…………?」



そして、私がその質問をするのを分かっていたかのように、おばあちゃんは冷静に事情を説明し始めた。





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