禁域―秘密の愛―【完】


「実は………アメリカの大学に桜庭家と繋がりの深い何名もの著名な経営者を輩出している経済学部があるらしい。
桜庭家の事業を担う人間は、その大学に必ず行くということで、巧もそこに入る事を勧められた。
………巧が桜庭家のお嬢さんと付き合うのはいわば、お嬢さんの気持ちもあるだろうけど、政略的なものだからね。
桐谷商事だけでなく、桜庭家の事業もいくらか引導してほしいというのがあちら側の希望だったそうだよ」

「そう………だったんですか」

「それで………最初は、桜庭家の人脈で裏口入学を勧められたらしいんだよ。
あちらの大学は2学期制だから学校は8月から始まるからね。時期的にも良かったんだろう。けど、あの子はそういう曲がった事が一番嫌いだ。
なのでその申し出を断って、自力でその大学を受ける事を決意した。そのためには早くアメリカに行って、あちらの環境に慣れながら受験に向けて勉強するのが一番だと思ったらしい。それで………二学期から巧は、アメリカに行ったんだよ」

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