禁域―秘密の愛―【完】
「巧っ………」
写真で巧の顔を見た途端………胸が熱くなった。そして私はそれにつられ、巧の気持ちを一気に知りたくなり、すぐ様手紙を読んだ。
ーーーーー瞳へ
これを瞳が読んでるってことは、瞳は俺がアメリカに行ったって事をばあちゃんから聞いたってことだよな。
ごめんな、今まで黙ってて。けどもし、瞳にそれを言うと俺の決意が揺らぎそうだったから、言えなかったんだ。瞳から離れて別の地で、瞳のいない人生の準備をするその決意が。
だって、俺が瞳と別れてから直ぐにアメ
リカなんかに行くって言ったら、お前泣くだろ?クラスが離れそうになったくらいで泣くからな、お前。(笑)
まあ、言いたい事はお前の泣き顔は俺を一番お前の隣に留まらせるってことだ。そしたら、アメリカなんか行けないからな。だから、言えなかった。
俺は今からアメリカに行って、桜庭家支援の下、現地の大学に入るために試験勉強をするつもりだ。
桐谷商事の事業を継ぎたい、っていう気持ちよりもそこで働く人達の人生を俺は守りたい。だから、桐谷商事を継ぐ。
前は全て父の思惑通りに事が進んでる気がして嫌だった。でも実はその気持ちの方がとても大きくて、結局は、俺の意思だったんだと気が付いた。
桐谷商事で働く人々の人生を守るために俺はこれから生きてく。瞳にも………応援していてほしい。
そう決めたはいいが、やっぱり俺は瞳と離れたくなかった。瞳とずっとこの先の人生を歩んでいきたかった。
それが叶わなかったのは俺の力不足だ。本当にごめんな。最後まで………瞳を泣かせてばかりで。
けど俺は、本当にお前が好きだよ。今でも、誰よりも…………好きだ。いつも柔らかい笑顔を浮かべて、誰にでも優しい瞳のことが。
瞳は、いつまでも大切にしたい俺の初恋だ。
瞳、だから、俺がお前の前からいなくなっても…………いつまでも泣かないで、幸せな人生を歩んでほしい。いつも瞳が笑っているそんな人生を。その写真のようにな。
それが俺の願いだ。俺が瞳を泣かせているのに、我ながら身勝手だとは思う。けどそう思わずにはいられないんだ。
最後にばあちゃんのこと、よろしくな。俺がいなくなってきっと寂しがってると思うから。
そして………瞳。お前と会えて良かったよ。本当に良かった。俺と出会ってくれて、感謝してる。本当にありがとう。そして、幸せに。
桐谷 巧ーーーーー