禁域―秘密の愛―【完】
かれんちゃんも………事情は知っている。
けれどその後、彼女が巧のことについて口をだすことはなかった。
「…………黙ってるってことはそうなのね?」
「変…………だよね?もう、あれから8年も経ってるのに………私、全然駄目なんだ………」
あの日から………巧と別れてから、少しずつ、少しずつ時間は進んでいて。
私なりに人生を充実させているつもりだ。
それが、巧の手紙にあった幸せなんだと信じたいけど…………。
それでもーーーー
「巧のこと、忘れられないよ………」
「瞳ちゃん………」
「………っ」
「…………それは、そうだと思うよ。あんな………理不尽な別れ方をしたんじゃ誰だって深くその人のことが心に残ると思う。だから、瞳ちゃんが簡単に桐谷君のこと忘れられないのは分かる。
私もそれは仕方が無いって思ってた。だから瞳ちゃんが告白されたり、デートに誘われて断ったって話を聞いても、まぁそうだよねって私は納得しちゃってたの。だから、今まで桐谷君の事はあまり言わなかった」
「かれんちゃん………」
「けど、瞳ちゃん………私達、もう25歳だよ?8年も桐谷君がいなくなってから、時は経ってる。
いつまでも、過去ばかり見てることって瞳ちゃんの幸せなのかな?戻らないものをいつまでもいつまでも願ったって………そんなの辛いだけよ。
ねえ、瞳ちゃん………そろそろ、前に進む準備をした方がいいんじゃないかな?」